列車はムルナウを出発し、ドイツ最大の湿原、ムルナウ湿原Murnau Moosをかすめていく。

                                                           下はガルミッシュのポストカード

 林業の盛んな森林地帯を貫き走り、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンで列車から降りた。1時間強の待ち時間を利用し、ちょっとだけ町を歩いてみる。
 

 ホテル パルテンキルヒェン・ホフPartenkirchenhofに、両替をするため入った。カウンターのお兄さんが親切にドイツマルク紙幣を渡してくれる。なんと手数料ゼロ!不幸もあれば幸もあるねえ。


 気をよくしてさらに歩く。特別これといった見物はないが、閑静な住宅地を流れる川岸などをボーッと歩いた。

  →ガルミッシュ・パルテンキルヒェンを紹介したホームページ




 16:30 ロイッテReutteへ行く列車に乗る。2時間に1本の超ローカル線だ。



お前ら、やかましすぎるゾ〜〜・・・。

おばあさんに引き連れられ、ロイッテロイッテなんて言いながらはしゃいでいた2人。

そうそう、ロイッテはオーストリア(チロル州)側になるんですね。オーストリアも今はEU加盟国。ドイツとの間で出入国検査は全くない。国境を越える楽しみが失われてしまって、何だかちょっと寂しい気もする。
                                                                                            
  

 日記を書く陽樹。このホームページ旅行記の大本になっているものであるが、旅のスピードになかなか追いつかず、おそらくこのとき書いていたのはミュンヒェンのこと。

ここは、鉄道と道路でもういっぱいになってしまう、狭い狭い谷底。後でもう1度、今度は昼間に通る路線だ。


 オーストリアはロイッテに入り、列車から降りる。おばあさんと2人の女の子も、一緒に降りた。そこに車掌の声。えっ????どうも1つ手前のロイッテ某 とやらいう駅で降りてしまったらしい。おばあさんたち共々、あわてて列車に飛び乗る。どうにて周りが暗い駅だと思った。車掌さん、ありがとう。何とか難を のがれた。


 ロイッテの駅前には、オーストリア国鉄のバスが何台か停まっていた。運転手に「フュッセンFuessenまで行きたいんですけど。」と話しかけると、 「その近くまでこのバスは行く。そこまでタダで乗せてあげよう。でも、そこからは歩いて行けよ。」とか何とか言ってきた。歩くことにあまり抵抗を感じない 私である(弟はそうでもないが・・・)。ご厚意に甘えさせていただいた。

 バスは北西方向に、鉄道と並んで走っていく。時折、村の旧市街へ入っていき、地元の子供たちや女性を乗せたり降ろしたりしている。運転手と地元の人々とは、顔見知りが多いらしい。見ていてほのぼのする。

 国境近くの町ヴィルスVilsでUターンしたため戸惑っていると、程なくフュッセン方面への峠道との交差点でバスは停まった。「ここでお降りなさい。」 と言われ、本当にタダかどうか確かめる。本当らしい。ラッキー!でも次の言葉がすごかった。「ここから5kmほど歩くと、フュッセンに着くよ。」えっ、う 〜ん、5kmかあ。周囲は真っ暗。ちょっと不安が頭をよぎる。まあ、これもいいじゃあないか。旅はこうでなくっちゃ!と思い直し、2人で歩き始めた。

 そんなにきつくない登りだが、両側は黒々とした森。木々の形が想像力をかき立てる。1人じゃなくてよかったと思う。時たま、忘れかけた頃に車がサーッと通り過ぎる。なかなかてっぺんにたどり着かない。
 
 こんな時には、私たち日本人の遊び"しりとり"が、その強力さを発揮する。

 おっ、行く手に光が見えてきた。ジュースでも飲めたらいいんけど。・・・・何件か機能不明の建物があったが通り過ぎ、あっと言わせる場所にたどり着いた。コッキョウ!!?  

 どうやらそうらしい。オーストリアがEUに加盟する前、ここで検査が行われていたのだ。
 国境は、長い歴史の中で常に変化してきた、流動的なものだ。けれども、'国境'という言葉には、何か物語に似たものを感じる。ここで生まれた数々のドラマに、思いを馳せてしまう。

 2人で興奮し、写真をたくさん撮ってしまった(ほとんど失敗だったのだが)。その間に、1つのことに気づいた。オーストリア側からの車は何事もなかった かのようにサーッと通り過ぎていくのに、ドイツ側からのものはみんな、いったん減速あるいは停車して、進んでいくのだ。もちろん道路構造に差はない。

 ここから両国民の文化・気質の違いを語ることは可能だが、果たしてそんなに安易に考えてよいものかどうか戸惑う。一方を通るのがみんなドイツ人、他方がオーストリア人と一概に言えないからだ。しかし、現実の現象がここにある。真実は謎。


 さて、検問所(跡)の脇の売店に入り、飲み物を買う。ここのおばさんは相当、手持ち無沙汰なのだろう。いろいろと話しかけてくる。

 さて、元気を回復したところで、先を急ぐとしよう。国境を越えると同時に、歩道が現れた。雪の積もったここを歩いていく。ゴーーーーッ、滝の音が響いて きた。左手を見ると、こちら側から水しぶきをあげながら落ちていく滝があった。昼間なら滝壺まで降りていくのだが今はちょっと・・・残念。

 なおも歩くと、左前方にライトアップされた建物が現れた。フュッセンに着いたんだ!
 
 橋を渡り、門をくぐると、そこはロマンの世界。旧市街がまとまって残されており、それが真の意味で生きている。そんな雰囲気の漂う不思議な町という印象を受けた。

 今夜の宿(ユースホステルのつもり)を求めて、人々に行き方を聞きつつ行く。自動車店の並ぶ郊外の歩道を、静まり返った住宅地をとにかく歩いた。どのくらい歩いたんだろう。フュッセン中心部から3kmは絶対来ている。

 21:57 受付終了3分前に到着したユースは、ベッドが開いており泊まることができた。カウンターの人にオーストリア側から歩いてきたと言うと、笑いながらの"Don't walk!"の言葉が返ってきた。ホッと一息つき、部屋に入る。今日の部屋は、アメリカ人1人の他は全員が日本人。何をしにここに来ているかというのを考えると、この奇妙な状況も納得せざるを得ない。ヨーロッパ中の名所巡りをしているという大学生がいた。

 ちょっと疲れた、腹減った〜〜〜。おやすみネーーー。
 

            SchlossNeuschwansteinに行こう
                             
                               
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