
私は、小さい頃から地図や地域というものに非常に興味を持っています(「PROFILE PAGE
大地の部屋」参照)。中3の時に書店でふと見つけてハマってしまったこの雑誌(発行は古今書院)には、ときどき地域情報や意見を投稿しています。稚拙な文章ですが、私にとってこれを書くことはとてもよい勉強になっています。そのいくつかを、ここでご紹介しましょう。(これから今までの投稿をできるだけ付け加えていく予定です!)
| 「ジオグラファーズ・フォーラム」 広島駅前に再開発ビル完成 住宅団地にスカイレール採用 芸予諸島を数珠つなぎ! 岡山市中心部の小中学校、統廃合へ 広島大学門前町形成に関する一考察 JR可部線、一部廃止か 山口コアポリス21プランへの提案 中四国学生地理学会開かれる ひろしま国際プラザ開館 岡山情報ハイウェイの整備進む |
急行「砂丘」廃止? 岡山自動車道開通へ 日本のチボリにひ・と・こ・と ボツった原稿 地域高規格幹線道路の問題点 「ハガキ通信・読者のこえ おもしろ話」 国際協力と地理学 広い視野で!! |
「ジオグラファーズ・フォーラム」という地域情報等のコーナー (以下同様)
広島駅前に再開発ビル完成 <新たに投稿>
広島駅南口正面に、再開発ビル「エールエールA館」が完成。4月20日、営業を始めた。
この敷地には戦後以来ヤミ市や風俗店が軒を連ね、一角に小規模デパート「広島百貨」が立地していた時期もあった。そこを市などが出資する第3セクター「広島駅南口開発」が買収し、広島玄関口の新しい顔として整備したものである。
地上12階地下2階(延べ床面積約7万6千u)のうち、核テナントである地元デパート「福屋」が地下1階から地上11階までを占める。地下2階の専門店街には地権者9店舗、広島初進出のチェーン11店舗を含む24店舗が入居。同時に整備された駅前地下広場と隣接するため、地下街のない広島にあってそれに近い機能を有している。
「エールエール」は、フランス語・英語の「エール」を合わせ、「大空に羽ばたき、世界中の人に声援を送るやさしい街」との意味を込めて命名された。ビル内に「大空」を感じさせる吹き抜けを多くしてある他、シンボルとしての「1999の時計」、市街を見渡せる屋上広場、
刻々と姿を変える外壁の電飾の設置など、アメニティを強く意識したものとなっている。
直前に広島駅ビルがホテル主体から店舗主体の「ASSE」へとリニューアルしたため、相乗効果で1つの商業核が急に現れる形となった。そのため、広島都市圏住民の購買行動に変化が生じている。特にファッション部門、中四国最大の書店進出による書籍部門でそれが顕著であり、市内電車で西方1km強にある市中心部既存店への影響が注目されている。
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| エールエールB館予定地 |
今後、駅前通りを挟んでJALホテルズを核テナントとする「エールエールB館」が計画されている。この早期完成が求められるのは言うまでもない。しかしそれだけにとどまらず、駅北側を考慮に入れ、かつ隣接する猿喉(えんこう)川や歴史ある食料品市場を最大限に生かした、「広島らしさ」あふれる総合的な地域計画も、街の将来を考えると必要になってくるのではなかろうか。
住宅団地にスカイレール採用 <99年2月号>
広島市東部の山陽線瀬野駅脇に、大型住宅団地「スカイレールタウンみどり坂」が造成された。全体で200mもの標高差があり、8%以上の勾配を持つ道路が多いため、この団地では計画段階からそれを克服する交通システムの導入を検討してきた。その結果、短距離交通システム「スカイレール」の導入が決まり、専門の会社が設立された。スカイレールは、懸垂式モノレールの技術と新交通システムにおける信号や構造の考え方を生かしたコンピュータ制御のシステムで、ゴンドラのようなスチール製の車体がワイヤロープを握って走行する。輸送力は小さいが、建設費が新交通システムの約3分の1、急傾斜に対応(15度まで)、道路上や法面の有効利用可能、ロープウェイと違い急カーブも含め曲線走行が可能、雪や氷結に強いなどの利点がある。
平地の乏しい広島デルタ周辺では従来、地盤の比較的安定した南西部、特に宮島の望める南向き斜面やアストラムライン沿線で住宅開発が先行されてきた。近年、その舞台は東広島市や安芸区などの東部にも大きく拡大している。そのような状況下、この団地では交通弱者に最大限配慮した新交通システムの導入や、1戸あたり平均70.9坪という広さ(広島市内の平均は55坪程度)、2台分を備えた駐車場の各戸への設置などで個性化を図り、2〜3世代同居を意識して競争していく構えだ。
昨年(98年)8月28日の開業当時、この団地の人口は300人程度(全体計画1万人)であったが、夏休み終番ということもあり、多数の行楽客が押し寄せた。その後、9月に1日平均土日・祝日420人、平日230人であった乗客数は、マチュアリングカーヴを描いて減少していき、11月にはそれぞれ250人・150人となった。当面、それぞれ200強・100弱になる(これらの数値はセレモニー・イヴェントなどの特異日排除)と、経営者側は見ている。現在のところ、子どものリピーターに家族がついてくる行楽型や鉄道マニア探訪型、それにJICA・大学・企業等の研修・見学型といった不安定要素が半数近くを占めているが、それらは徐々に減少していくことだろう。
現状では明らかに過剰サーヴィスのこの交通システム、3駅を設置し、1車両定員25名(座席8)で平日105本・土日祝108本/日(5〜10分間隔、54秒間隔まで対応可)の運行をしているが、空気のみを運んでいる場合が少なくない。今後、団地の成熟に合わせて乗客数は推移していくものと思われる。
企業側は、斜面を利用して中南米の遺跡風にデザインした、中央公園でのイヴェント開催を推進する一方、団地内に確保する予定の商業地域にも、瀬野川流域の従来の住民を呼び込みたいという考えだ。将来400mほど延長する計画も持っている。全国初の試みだけに、長い目で推移を見守っていく必要がありそうだ。これを例に、隆起準平原面と谷底平野を結ぶなど、中山間地域等でもこのような小回りの利く交通システムの導入を考えられないだろうか。
芸予諸島を数珠つなぎ! <98年9月号>
明石海峡大橋の開通した今年に引き続き、99年は瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)の一部島内道路を除く全通が、注目を集める模様である。その脇で、知名度は低いものの、安芸灘諸島を結ぶ橋梁の建設が続いている。
具体的には、本州は広島県川尻町から、女猫の瀬戸を安芸灘大橋(両側歩道2車線、1175mの吊り橋)でわたり、すでに開通している橋梁もあわせ、下蒲刈島・上蒲刈島・豊島・大崎下島・岡村島(愛媛県)・大崎上島を結ぶルートである。このうち、上蒲刈島〜豊島間と岡村島〜大崎上島間の開通時期は未定であるが、その他の部分については来年度の共用を目指し、工事が進んでいる。
この地域の島嶼部では、周知の通り、みかん栽培が盛んだ。大崎下島の大長みかんなどは、全国的に名の知れた商品となっている。この地域の風俗・習慣である末子相続制の影響で、親から畑を分け与えられて分家した長男・二男・・・の後、末っ子が新天地を求めて島外に「渡り作(出作)」をすることにより広まったみかん栽培。70年代のオレンジ海外輸入増加による価格大幅下落の影響を受け、みかん畑は縮小し、運搬用の木造「農船」もほとんど使われなくなった。現在は、海上フェリーとトラックによる輸送が一般化している。橋が架かれば、トラックにほぼ一本化されるだろう。
みかん産業が苦境に立たされている上に、造船業の構造不況も追い打ちをかけるという状況の中、島嶼部各町村では、観光に力を入れるところが増えてきた。先進例としては、瀬戸田町が挙げられる。しまなみ海道沿線という立地条件を生かし、従来からの耕三寺に加え、平山郁男美術館、本格的音楽ホールであるベル・カントホール、彫刻を砂浜などに配した瀬戸田ビエンナーレ、柑橘類のテーマパークであるシトラスパークなどを次々に整備してきた。安芸灘諸島でも、この例を参考にしつつ、観光農業を進める蒲刈町のオレンジパーク(仮称)と県民の浜のセットや、重伝建の指定を受けた豊町の御手洗地区を中心に、呉・広島からのレジャー客を当て込んだ開発がなされると思われる。
ここ数年、瀬戸内の多島美景観の中に、目立って橋の数が増えてきた。安芸灘諸島やしまなみ海道のような長大な連続数珠つなぎ架橋に限らず、安芸津町の大芝島や弓削町の弓削島〜佐島のような、本州と島、島と島との間の単独架橋も数多い。問題となるのは、各島の没個性化だ。モータリゼーションが本格的に入ってきて本土の都市圏に組み入れられただけでは、本当の意味での島の活性化・振興にはならない。それぞれの島が自分の持つ個性、それも近隣の島にはないキラリと光るもののアピールをしないと、本土からの客は島へ向かう橋にハンドルを回しはしない。広域連携とともに、それぞれの島の秘めた魅力を掘り出し、情報発信することが必要だろう。そう遠くない将来、岡村島から大三島へ向かう橋梁の計画も出される可能性がある。そうなれば、しまなみ海道と合わせ、広島と福山を結ぶ第2の軸が形成されることになる。このメリットをどう生かすか、安芸灘諸島の各島・各町村の奮闘が期待される。
※県境の大崎下島〜岡村島間3橋は、昨年10月6日に開通。愛媛県関前村では、これまでもごみ・し尿処理については広島県側の豊町・豊浜町と「芸予衛生組合」を組織してきたが、これを機に消防など緊急時対応も、県境を越えた広域行政組合で行っていく考え。なお、この道路の名称は「広域農道安芸灘オレンジライン」である。
参考LINK
: 安芸灘大橋 土木構造物の紹介 社団法人土木学会中国支部事務局
中之瀬戸大橋の橋げた設置 愛媛新聞:県内の主な出来事(1997年12月20日)
岡山情報ハイウェイの整備進む <98年6月号>
岡山県では96年度以来、全国に先駆けて情報ハイウェイの整備を進めている。これは、高速・大容量の情報通信環境を実現する光ファイバーを機軸とし、CATV回線等と接続した、「県民イントラネット」の構築であるともいえる。具体的には、県庁内の各部局をLANで結び、そこから9つの地方振興局LANへ向けて光ファイバーをWANとしてのばす。このWANが、岡山情報ハイウェイの基幹回線となる。県民や企業は、地方振興局に接続したプロバイダ(インターネット接続サーヴィス業者)やCATVと利用契約を結ぶことで、同ハイウェイの恩恵を受けることができる。また、県内の高速通信網の能力を発揮させるため,県内で収束するデータはそれぞれ異なるプロバイダであっても,東京や大阪のプロバイダ間データ交換拠点を経由することなく県内でデータ交換を行う。
高度情報化時代に対応し、情報供給の地域間格差を是正することや、それによる過疎脱却と地域の活性化、情報関連企業の県内進出、遠隔・在宅医療の推進等をはかることが整備の目的だ。
現在、県庁と地域振興局との間の回線が開通し、いくつかのプロバイダが実験的に接続をしている。すでに、プロバイダ数も飛躍的に増加し、県内全地域で、市内料金によるインターネット接続が可能となった。県庁も、全国でも類のない、1課室1ホームページ制を取り始めた。
来年度の全面開通に備え、今後は地域振興局間の迂回線や、各所への情報キオスク(街頭型端末)の設置、地域の情報ネットワークの充実などが行われるだろう。全都道府県で最悪といわれる財政難の中、この事業は凍結・規模縮小などが行われなかった数少ないものの1つとなった。ぜひ、県民への情報教育にも力を注ぎ、最大限の活用をしていただきたい。
参考LINK
: 岡山県情報政策課ホームページ
岡山市中心部の小中学校、統廃合へ <98年2月号>
都心空洞化の著しい岡山市で、中心部の小中学校を早期に統合し、教育条件の改善を求めるという内容の答申がまとめられた。具体的には、丸之内中と旭中を1校に、その2中学校区の内山下(うちさんげ)小・深抵小・弘西小・南方小の4校を1校に、出石(いずし)小・鹿田小を1校にするという内容である。
同市中心部の学校では、ベビーブーム期出生世代による1955〜60年頃のマンモス化ピークの後、高度経済成長期に激減(5年間に3割ほど)、その後はやや減少傾向が緩慢になったものの、最近5年間でも25%の減少を記録している。出石小は今年、全校児童96人、うち1年生8人という状況だ。
1学年1学級の内山下・深抵・出石小は、それぞれ県の行政・文教・放送の中心、都心商店街や大型デパートによる商業の中心、商業の2眼レフ構造のもう1つの核である駅前+駅南に位置する金融・ビジネスの中心(ここは70年代の再開発・近年の駅南再開発に伴い機能を集中させている)といった都心機能をもつ。CBDとしてのオフィス・商店などの集中が続く限り、夜間人口、特に若年層の流出は避けられない。
都心部の小中学校は概して歴史が古く、愛着を持つ市民は多い。しかし、競争のなさなどを問題として私・国立の学校にわざわざ通わせる親も多いこと、複式学級化も時間の問題であることなどを考慮すると、やはり改善が期待される。再編の際は、学校を中心としたコミュニティや新しい通学路の安全、そして都心に現れる貴重な跡地の利用を、積極的に市民参加の形で考えていってほしいと思う。
※実際には手描き地図つき
※今春(99年)、旭中と丸之内中は統合され、旧旭中敷地に「岡山中央中」が開校した。同時に、旧中国・四国農政局庁舎を仮校舎として、全国初の市立中高一貫校「岡山後楽館中学校・高校」が新設された。なお、旧丸之内中敷地は県立図書館の移転地に決定している。
山口コアポリス21への提案 <97年12月号>
11月号本欄で、第36回中国四国学生地理学会山口大会の概要を紹介した。参加3大学の研究発表のひとつ、山口大による「21世紀の中核都市へ向けてー山口コアポリス21プランを通じて」は、地域のかかえる問題に興味関心のある私にとって考えさせられるものだった。(このプランは、山口市の規模や機能を高めることによって、真に県の中核都市としようとするものである:加筆)。以下、発表を聞いて、近年の市町村合併推進の方向性について考えたことを記す。
現在の市町村という地域構成単位が、中途半端になっている事実は否めない。規模も地域としてのまとまりの善し悪しも、バラバラなのだ。広域的な都市圏の形成やその一体的な開発も欠かせない。財政危機に陥りつつある市町村が多いなか、財政力が弱いまま地方分権がすすんでも困るという事情もある。ある政党は「国民への契約」の1つとして、全国3300の市町村を300市にして地方分権の担い手とし、一方で地方自治体への国の補助金を全廃するとしている。それにより国と地方の経費が減らせるらしい。合併推進派は、財政難市町村や比較的人口の多い市に多い。理由は自明だろう。
しかし、である。そんな人口の数合わせやカネ欲しさだけで合併がすすめられてよいものか。小さな町には小さいなりの良さがある。小さな町だからこそできる、きめ細やかなサービスや夢のあるユニークなまちづくりがある。そこで私は、岡山県が9つの広域市町村圏ごとに設置した「地方振興局」に注目してみた。現状ではその力はまだまだ貧弱だが、県や国から大幅な権限の委譲を受ければ、市町村の良さをそのままに残しながら、合併推進派のセールスポイントである地方分権が正常に行えると思う。山口県央の場合は、地方振興局を設置したうえで山口市がわが身を引き裂き、南部を小郡町と合併させて「小郡市」としてほしい。そして防府市・秋穂町はそのままとする。このエリア設定は、「山口コアポリス21プラン」で地域特性に応じた役割分担を求めた、4つのエリア区分と合致する。
※11月号掲載のものと一体となった文章だったのだが、字数オーヴァーのため、2つに分割掲載された。
中四国学生地理学会開かれる <97年11月号>![]()
8月24〜26日、山口市の防長青年会館において、第36回中四国学生地理学会(以下、「中四」)山口大会が開催された。この「中四」は、中四国地方9県の、国立4年制大学の地理学教室の学生が自主的に企画・運営し、互いに交流する場である。私は初参加であり過去のことはあまり知らないが、昔は立命館大がやって来るなど活気があったのが、近年では四国地方の全大学不参加なども多く、滅びの道を突き進んでいるらしい。今年は島根大・広島大・山口大のみの研究発表となり、事実上の西中国学生地理学会となった。
発表内容は三者三様。島大は「中海」と題し、本庄工区干拓問題や既存干拓農地・湖岸地形・流入河川など多くの視点から考察した。広大は「バス交通から見た備北地域」と題し、備北交通(株)のバス路線網などから地域間結合の強さの経年変化を見出そうとした。山大は「21世紀の中核都市へ向けて−山口コアポリス21プランを通じて」と題し、都市機能・人口などの集積により、山口市を県の真の中核都市としようとする同プランを、小郡町ひいては防府市などの吸収も視野に入れながら考えたものである。
四国の地理学生のみなさん、どうぞ来年は瀬戸大橋を渡り、岡山自動車道や伯備線を利用して、島大が会場となる「中四」に来てください。再来年の広大開催もお忘れなく。
急行「砂丘」廃止? <97年5月号>![]()
2月7日、JR岡山支社は津山市に対し、利用率低迷などを理由に急行「砂丘」を廃止したいと申し入れた。砂丘号は現在、鳥取−岡山間を因美線・津山線経由で1日5往復している。JRによれば、昨年12月の津山線高速化により、津山−岡山間の所要時間が快速とほとんど変わらなくなったため、智頭急行経由で鳥取−岡山間の特急を新設し、この秋から津山線部分については快速に置き換えたいという。
この動きに対し。津山市を中心としたJR因美線・姫新線・芸備線近代化促進協議会は地域住民の代表として、存続と利便向上に向けての要望書を提出した。
津山市は近年、作陽音楽大学(今春から、くらしき作陽大学)の転出などにより、中心部商店街の衰退などが顕著である。この廃止による津山の、作州のイメージダウンは避けられない。
しかし、急行料金が不要となるこの廃止案のほうが(イメージの問題はともかく)利便性は向上すると私は考える。停車駅も増え、利用者数の伸びも期待できよう。残るイメージの問題だが、ささやかなことではあるが快速に新たに愛称をつけることを提案したい。現在、近隣には瀬戸大橋線マリンライナー、山陽線サンライナーなどがある。このネーミングが優れているとはいわない。しかし、愛称は地域の風土を反映し、地域を特徴づけ、路線の存在感を誇示する力をもっている。この程度のことは早急に実行すべきだろう。また、津山線には亀甲(かめのこう)、誕生寺、神目(こうめ)、福渡(ふくわたり)、金川(かながわ)など、おめでたい名の駅がたくさんある。過去の広尾線の”愛の国から幸福へ”ではないが、何かこの特徴を生かす術はないのだろうか。
※その後、智頭急行経由の特急「いなば」が新設され、急行「砂丘」は消えた。現在、急行「つやま」として1日1往復走っているが、残りの本数分(4往復)快速が増便され、私の希望通り愛称がつけられている。快速「ことぶき」である。決してネーミングセンス(及び車体デザイン)はよくないが、もしかしたらJRの方が僕の投稿を見てくれたのかなあ、なんて思ってしまう。
日本のチボリにひ・と・こ・と <96年10月号>
白壁の蔵屋敷に瀬戸大橋、水島コンビナートとくれば、本誌の読者ならどこの街かピンとくるであろう。この街に来年7月、日本版のチボリ公園がオープンする。本場デンマークのものよりも広い敷地に、アンデルセンシアターなどのメルヘンの世界や花と緑と水辺の自然に加えて、採算や日本人の好みを考慮してローラーコースター、フェリスホイールなどのエンターテインメント性もとりいれるという。
この公園計画は長年の間紆余曲折を経てきた。地方公共団体の出資が大きな原因である。県民、市民に大歓迎されているとは言い難い。十分な観光客を受け入れられるのかとの疑問の声も大きい。倉敷駅前という好立地を生かし山陽線を利用しての来園を期待しているようだが、1700台分の駐車場がピーク時には不足する恐れがあるため、交通対策も急務である。そのうえ、現時点ではPR不足の感も否めない。
まさに開園を間近に控えて問題ずくめのチボリ公園だが、オープンするからには地域の人びとや観光客に親しまれるようにソフト面での充実も図り、入園して気持ちのいい公園にしてもらいたいものだ。
| 参考LINK : チボリ公園 OFFICIAL
HOMEPAGE チボリ公園(晴れの国ネットによる紹介) |
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ボツった原稿・・・
地域高規格幹線道路の問題点 (未掲載、字数が多すぎてボツになったのだろう。韓国を旅して強烈に感じたことが、日本でも当てはまると思い、書いてみました。)
日本は今、広域高速交通ネットワークができつつある現状にある。ほぼ全国に高速道路が張り巡らされ、トラック輸送の広域化や迅速化、レジャーの広域化や目的地への時間短縮などに多大に貢献しており、現代日本にとって必要不可欠な存在となっている。今後は、過疎地域への延伸、都市地域における整備・拡充、都市間主要高速道の輸送力強化などが中心となってくるだろう。
その中で、従来の高速自動車国道・本四連絡道路・都市高速道路に加え、近年勢いを増しつつあるのが地域高規格幹線道路である。原則4車線の自動車専用道路という点など、従来の全国高規格幹線道路と同様の道路づくりを、新規事業として採択し、進めていこうという考えのようである。建設省は「交流ネットワークの充実により地域ブロックの自立的な発展や物流の効率化などを図るため、高規格幹線道路、地域高規格道路の重点的な整備を図る。」と『新道路整備5箇年計画』で示している。
この道路、地方自治体の多大な期待を背負い、計画・整備が順調に進んでいるが、今までの高速道路整備の反省点を生かし、立ち止まって振り返るということがあまりなされていないように感じられる。そこで、建設による問題点を洗い出してみた。 まず、高規格道路の整備には、盛土・切土・高架化・防音壁設置などは不可欠であるが、これらにより沿線地域の景観が広範囲にわたり遮断されることとなる。景観は、主要観光地のみで保護対策を施せばよいものではない。これだけ高規格道路が増えている今、日本の農村景観全体のあり方を、ここで危機意識を持って考え直さねばなるまい。景観は個々人の心に左右されるものであるが、それが道路によって遮断されることにより、住民や出身者、訪れるもののふるさと意識や心の充足感の喪失につながる。また、地域の良さや個性はかなりの程度、その地域の景観により決定づけられることから、地域らしさ・その地域なりの魅力の喪失という問題も生じてくる。過疎地域に高規格の道路を通し、交流を増やそうとしても、その過疎地域のもつ独特の魅力の多くが失われてしまうなら、Uターン・Iターン等の希望者の増大にはつながらないであろう。日帰り圏は拡大するが、地域に根差した滞在型観光は衰退するかもしれない。
次に、全国一律の画一的形態をとった、沿線の文化・風土との地域との接点の少ない道路づくりは、今以上に目的地至上主義を生むことになる。目的地へ達するまでの移動時間は、車窓からの眺めを楽しみ、その地域の地理を感じとる時間ではなくなってしまう。私たちは、高速道路や自動車専用道路を走ったり新幹線や特急に乗ったりする際、実際はその地域を通り、目でじっと車窓の風景を追っていても、何か従来の下の道路とは違って、地域のにおいや真の姿に触れていないような感覚を持つことはないだろうか。それが地域間移動の基本となってしまうのは、地理をやる側としては危惧せざるを得ない。当然、地域への関心の低下という結果を生むだろう。
他にも、生態系や人文地域の分断、4車線道路・インターチェンジ・ジャンクション・サービスエリア等に占有される土地の広大さ、その土地を売却した住民が不動産経営の味を覚えることによるスプロール化の助長、遺跡をはじめとする文化財の破壊、地区・集落レヴェルでの文化の破壊(集落形態の変化、言い伝えのある地の破壊など)、広範囲にわたる文化の破壊(都市との間のパイプが太くなると、都市の影響を過剰に受け、住民の気質が変化するのではないか)、空気のおいしさや静けさといった魅力が大気汚染や騒音にとって代わられる点など、多くの問題を生む可能性をはらんでいる。
ずいぶん前だが、「豊かさの指標」という言葉がもてはやされた時期があった。一律に経済発展のことばかり考えるのではなく、もう少し冷静に、本当にこの道路は必要か、10分や20分の時間短縮はこれらの問題に勝るのかといったことを考えて計画実施をしてほしい。1度失われたものを取り戻すのは、容易なことではないのだから。財政が逼迫する中、賢明な選択が必要とされている。同額の出費をするなら、広域サイクリングロードの整備、既存道路の安全確保、「道の駅」等の地域情報の発信源かつ地域間交流の拠点となる施設の整備などの方が、効果が期待できる。これからは情報がものをいう時代である。他地域と比べて遅れているなどといった地域分析よりは、地域の個性・面白味を強調していくことが求められよう。
ハガキ通信・読者のこえ おもしろ話
広い視野で!! <94年8月号> これが初投稿です
1月号で立命館の学生の方が、高校時代に『地理』を購読していたという学生に会いたいと書かれていました。僕は今年の4月から岡山一宮高校の生徒になります。将来は地図関係の道に進みたいと思っていて、趣味で鉄道運行数や交通信号の密度などの主題図をつくったり、地形図の色塗り、空想の世界の地図づくりをしたりしています。また、地図関係の本や紀行もたくさん読んでいます。僕は、『地理』を読まれているみなさんに、エッセイストの堀淳一さんの著書をお薦めしたいと思います。堀さんの日本の地図に対しての意見は、まるで僕が考えている「地図」を系統的にまとめてくださっているようで、いつもいきいきとした地図の世界へ読者を連れていってくれます。ぜひ、僕たち「地理学者の卵?」は、堀さんのように広い視野で地図を考え、少しでも芸術性、利便性を考慮した「よい地図」が生まれるように努力していこうではありませんか。 (岡山県建部町・中学生・河本大地)